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~CD発売についてご挨拶~

イタリア・プーリア州出身の指揮者、ヴィート・クレメンテ氏よりご推薦をいただき、南イタリアにあるプーリア州の作曲家に焦点を当てたCD録音に参加させていただきました。音楽監督を務めるヴィート氏のピアノ伴奏、そして録音はディクトレッシオーネ・ミュージック、配給はナクソス(USAtoカナダ)とストラディヴァリウス(イタリアとヨーロッパ)のバックアップの元、数名のクラシック歌手の皆さまと共に二枚組のCDです。様々な時代のプーリア州出身の作曲家が、その時代の、もしくは古典の詩を用いた作品の数々をお届けいたします。私は三曲収録予定ですが、その中でも、ご存命の作曲家が私とヴィート氏の為に書き下ろして下さった作品は特にご注目いただきたいです。

収録予定曲は下記の通りです。

・Massimo DE LILLO (1974)
              “L’oro et le perle e i fior’ vermigli e i bianchi/金と真珠、紅と白の花 ”
                                                              versi di Francesco Petrarca (1304 -1374)

・Pasquale LA ROTELLA (1880-1963)
              “Sognandoci/夢見合い“

・ Pasquale LA ROTELLA
              “Sul fiorito melograno/花盛りのザクロの木の下で“

私のクラシック歌手としての活動の節目、節目で大きな影響を与えて下さるヴィート氏との久々の共演となりました。こだわり抜いて作られた音楽を、私自身による対訳と共に、お手に取っていただけたら嬉しいです。

                                      小村朋代

 

                                                           ~プーリアサロン音楽について~

イタリアの「トラエッタ・オペラ・フェスティバル」(TOF)の活動の一つとして昨年より始めたプロジェクト、第一回はプーリアの作曲家ニコロ・ヴァン・ヴェストラウトを取り上げ、歌曲集楽譜刊行とCDリリースをしました。この企画は、東京アカデミーオブミュージック(日本)アイディア・プレス(USA)、ディグレッシオーネ・ミュージック(イタリア)、TOF(イタリア)の四つの団体の国際協力により実現しました。

今年も引き続き「プーリアサロン音楽」として、2枚組CD録音・リリースをすることになりました。TOFのスタッフの根気の必要な細かな研究を通して、洗練されたプログラムとなっております。20名以上のプーリアの作曲家の作品が収められますが、この新しい企画では、よく知られた作品のみならず、若い才能も関わっているのが特徴です。この作品を一つに纏めて、次世代に繋がるような意味でも重要な意味のある企画となることと信じております。

この度紹介する歌曲は、プーリアの宝ともいえる作品です。サロン音楽(歌曲)において、イタリア伝統の中心としての「サロン」とは、常に「音楽と言葉」の密接な融合が不可欠とされ、さらに言えば、プーリア人気質のように、肥沃な土地、荒廃した土地であっても愛情を注ぐ、又は、どんな時も常に子供たちへの愛情に満ちているといった「無条件の愛」のような作品です。900年代初期の作曲家(アッバーテ、ラ・ロテッラ、フィウーメ)から、現代まで、一貫した理想形が継承されています。ニーノ・ロータの弟子達といえる作曲家のオリジナル作品は、今回の為にTOFが委嘱したものです。

今回演奏される有名な作品も、新たに委嘱した作品にも、この純粋な音楽的なインスピレーションは、何世紀にも渡る歴史の流れの中で、大地、海、色彩、香りなどにより、常にイタリア、プーリアの特有の要素を与えられています。

                     トラエッタ・オペラ・フェスティバル芸術監督
 ヴィート・クレメンテ

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